細かな制作プロセスが知りたい!! その1
体重ベアは次のような長いプロセスで作られています。
1.塩ビシートに型紙をトレースする
型紙を塩ビシートに細いマジックで丁寧にトレースします。
縫い止まり位置、ジョイント位置、毛の流れの矢印なども忘れずにトレースします。各パーツの名称やその体重ベアなどと、ベアの名称なども書き込みます。
次にトレースしたマジック線の内側を紙切りバサミで丁寧に切ります。
2.体重ベアの型紙を布に写す
次は、毛の流れに注意しながら、体重ベアの型紙をレイアウトします。まず、全体的な毛の流れをつかみ、その流れに体重ベアの型紙の矢印をあわせます。
毛の流れの見つけ方は、手で毛の表面をなでてみて、スムーズに撫でられる方向が、型紙の矢印の方向になります。
モヘアの場合、毛が一方向に流れている場合は少なく、渦を巻いていたり、所々毛の方向が変わっていたりします。その不揃いさが、モヘア独特の雰囲気でもあり、風合いなのですが、毛の流れをつかみ、型紙の矢印がきれいにのる様、レイアウトします。
特に顔部分のレイアウトには細心の注意を払い、顔部分の前面には、つむじ部分は避け、ウエーブのきれいな箇所でレイアウトします。目部分に毛が覆ってしまうようなところでレイアウトしてしまうと目に毛が覆い、悲しそうな表情になってしまいます。ミューズの体重ベアは活き活きと活発な表情にするために、目の部分の毛の流れにもっとも細心の注意を払いレイアウトしています。
3.布を裁断する
レイアウトされたモヘアをモヘア専用の裁ちバサミで裁断します。
ミューズの体重ベアで使用しているモヘアは毛足が1.8pととても長いため、その毛足を切らないよう、切り始めるときはさみの先を毛足の根元に滑らし(写真B参照)、刃先が浮かないように、ハサミの先だけでチョコチョコと切っていきます。
ダイナミックにハサミの腹あたりでいきおいよく切ってしまうと毛足を切ってしまい、縫いあがったときに縫製した箇所だけで毛足が短くなってしまいます。ミューズの体重ベアは、裁断時にも細心の注意を払って裁断しています。
4.縫製
裁断した体重ベアの布を縫製します。ミューズの体重ベアは顔部分の鼻先部分と、足底部分は手縫いで半返し縫いで縫っていきます(図@参照)。縫うときは布と布が浮かない様、一針一針、糸を引っ張りながら縫います。綿を詰めて出来あがったときに、縫い目が目立たないよう、1針1針しっかりと糸を引っ張りながら、丈夫な半返し縫いで縫っていきます。
ミューズの体重ベアは、鼻先と、足底はきれいな形に仕上がるよう手縫いで縫製されています。鼻先部分と、足底部分を手縫いにすることにより、顔はとてもきれいに整い、また、足底はとてもきれいな円形に仕上げることが出来ます。
その他部分は、ミシンで縫製します。ミシン糸には、耐久性がよいデュアルデューティーを使用しています。手縫い糸も、ミシン糸もともに、綿を固く詰められるよう、丈夫な糸を使用しています。
ミューズの体重ベアは、左手部分のパット部分にミューズ・インターナショナルの織りネームが縫い付けてあります。これは、ミューズ・インターナショナルのオリジナルのハンドメイド・テディであることの証です。